推薦文 武者小路公秀(前国連大学副学長)
「カトリック教会と奴隷貿易」における文明史と救済史の交錯
第一部 カトリック教会は奴隷貿易に深くかかわってきたのではないのか
・課題のありか ・奴隷制は「人道に対する犯罪
・カトリック教会は奴隷貿易に断固一貫して反対して来たのか
第二部 新大陸の実態とカトリック教会の関与(一)
・先住民インディオ達の虐待と奴隷化
・教会の関与−教皇は聖俗両権能を行使−
・一層明白な教会の関与
第三部 新大陸の実態とカトリック教会の関与(二)
・教皇文書は奴隷貿易を禁止したか
・キリスト教化は奴隷化への方便ではなかったか
―手段と目的の倒錯―
第四部 プランテーション生産と産業革命、
そして、それに続く先進諸国の隆盛(と途上諸国の衰退)
・産業革命は近代資本主義の起点
・「三角貿易」の主軸は奴隷貿易、そのまた主軸は「中間航路」
・奴隷労働が本源的蓄積を結果したと理解するウィリアム・テーゼ
第五部 奴隷貿易正当化の理論と実態
「人みな神の子」を語って止まなかったキリスト教が何故…
・奴隷制を正当化する一般“理論”
・キリスト教世界に認められる正当化論
第六部 「見捨てられた大陸」の現状
・アフリカ諸国の独立と成果 ・国際社会の二つの約束
・「市場経済」は(効率的でも)公正でもない
第七部 カトリック教会によるSSA諸国の現状認識と奴隷貿易についての対応
・「愛の宗教」「平和の道具」としての自己規定
・「解放の神学」はラテン・アメリカだけのもの?
・アフリカ諸国の現状についての教会の認識
・謝罪を要するのは奴隷貿易についての「教会の罪」―「教会の責任」を再考するために ― |