2007.11.18大阪のつどいメッセージ                                                        Print
何故アメリカは北朝鮮のテロ指定を解除するのでしょうか?
                                                                              西 山 俊 彦


 
アメリカが、近く、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のテロ指定を解除するもようと報道されております。指定は、拉致を初めさまざまな人権侵害、麻薬取引、ドル紙幣偽造、ミサイル先制攻撃、核武装等々の理由だったと理解しますが、それらが解決したからなのでしょうか、それとも大親分が少しは良心的に、どっちもどっちと思い始めたからなのでしょうか。

 S・ハンチントンは「アメリカこそならず者超大国」と書きましたし、N・チョムスキーは「テロの帝国アメリカ」と銘打ちました。民主主義の擁護者を自認する国がどうしてとビックリしてしまいますが、小説よりも奇なのが事実とか。ラテンアメリカの政権転覆と人権侵害に係わって来た謀略の数々だけでなく、アフガニスタン侵攻もイラク占領も予防戦争という先制攻撃でした。勿論最初は「大量破壊兵器」から世界の安全確保のため、次には民主主義の確立とか何とか。日本も130億ドルも出して加担しておきながら「show the flag 旗幟を明かせ」と恫喝されて始めたのが「テロ対策特別措置法」、それによってどれだけ多くの人々が命を落とし混沌のどん底に喘いでいるかをよそに、アフガンで「女性がチャドルを着けずに外出できるようになっただけでもいいんじゃないの」が福田首相の国会答弁、アヘンだけが生きる道と世界の93%を生産しているとの国連報告を耳にすると、「こんな世界に誰がした」と原因究明の責任を痛感します。

 拉致は言うに及ばず、ミサイル、大量破壊兵器、圧倒する軍事展開こそ、まさに、「国家テロ」そのものですが、これが経済覇権主義のなくてはならない後ろ盾、有無を言わせぬ経済支配は有無を言わせぬ実力支配あっての物種、それは、「テロ国家」「ならず者超大国」の真骨頂である、世界公認の「ドル紙幣偽造」に明らかです。御存知と思いますが、北朝鮮の「スーパーノート」は、米財務省推定では、2200万ドルであるのに対し、アメリカの経常収支累積赤字額は2006年末現在で5兆7000億ドル以上、全く比較になりません。通常の国であれば国家破産、全員飢死は間違いないのに、アメリカの金融資本主義は、「円天」以上に、世界に君臨して大繁盛、それは輪転機をフル回転させれば全問解決となるからに他なりません。ただし、グローバル大の経済覇権にはグローバル大の軍事覇権による正当化が絶対条件、とすれば、恐怖を拡大して世界を巻き込んでゆく「テロとの戦い」という臨戦態勢Enduring FreedomEnslavement Operationは、何時いつ迄も続くことになりかねません。

 勿論、拉致問題の未解決の日本を尻目に北朝鮮のテロ指定を解除する一方で、日本には「テロとの戦い」を強要するところにも、「テロ国家」の面目は躍如です。

 「テロとの戦い」は、ドンキホーテよろしく幻想との戦いではなく、無数の人間を生贄にする狂気の大量殺戮、この人間性を無視して省みない金融資本主義のエゴと強欲を正気に戻すために、「団結して戦おう!!!」