西山俊彦

「構造的暴力理論」の批判的考察と
平和学の課題


第6章に掲載

 

 

目      次

 はしがき

T Introduction

 
  平和とは何か ―――――――――――――藤田明史 

1 

 はじめに
 平和研究の対象
 暴力の諸形態
 平和とは何か
 平和の諸形態
 対話とは何か
 平和ワーカー
 社会変革
  トランセンド法入門
〈理論〉トランセンド法とは ―――――――――――伊藤武彦 
 はじめに
 トランセンド法の理論と実践
 対話の重要性
 紛争転換における態度と行動の矛盾
 紛争ワーカーまたは平和ワーカー
 トランセンド法の応用
 日本におけるトランセンド法の研究の発展

〈実践〉練習問題 ――――――――――――トランセンド関西 

 はじめに
 ミクロ・レベル
 メゾ・レベル
 マクロ・レベル
 メガ・レベル
   

U Theory

  平和学とは何か ―――――――ヨハン・ガルトゥング 
 「健康」概念との相似――〈平和:暴力=健康:病気〉という定式について
 健康学から平和学へ―― そして、もう一度、健康学へ
 DPTにおける類似性―― 応用科学としての平和学
 平和学という学問分野
   
  平和学における認識論と方法論
             ―――――――
ヨハン・ガルトゥング               
 平和学の位置付け
 平和学=経験主義+批判主義+構成主義
 不変性追求、あるいは不変性打破の活動としての科学
 公共的空間における平和学
 パターン認識とメタファー
 全体論・弁証法、原子論・演繹主義
 出来事と持続性―― 積極的平和と消極的平和
 「秩序」の現象学
 結論:平和学は、他の研究分野から何を得たいか
  戦争の理論から平和の理論へ
      ―
2001年の「真珠湾の日」 ――――ヨハン・ガルトゥング 
 歴史をどう理解するか
 「真珠湾」以前―― 戦争にいたる出来事
 「真珠湾」のもとで何が起こったか―― 戦争の理論
 戦争の理論から平和の理論へ
  「構造的暴力理論」の批判的考察と
     平和学の課題
――――――
西山俊彦
 SV概念の整序的把握
 SV理論の成立根拠は「完全平等原則」
 J.ガルトゥング教授のレスポンス

〈補論〉 構造的暴力理論の概念について―― 西山論文へのコメント
           ――――――――ヨハン・ガルトゥング

  

V Application

     
  9.11/10.7以降の世界
       
――テロリズムとめぐる3つの言説―――ヨハン・ガルトゥング
 3つの言説
 言説としてのテロリズム
 言説としての原理主義
 アメリカの介入主義はなぜ起きるのか
 理性的分析とはどういうものか

〈補論〉 米国の病理現象の分析

  東アジアの平和構想と日本の役割
              ―――――――――――
中野克彦
 東アジアの分断線の基本的構図
 分断線をめぐる3つのシナリオ
 東アジアの平和構築と和解の連鎖
  平和的価値の創造における芸術の役割
             ―――――――
――――
奥本京子
 土壌としての「平和の文化」
 平和教育を考える
 平和学の「場」―― 平和教育・学習を通して
 「平和」概念の具体化―― 平和の文化の基礎としての平和学
 トランセンドにおける発想の転換と対話
 「対話」と「関わること」と芸術の役割
 「生きること」と芸術の力の可能性
 ヘルスケアと芸術
 芸術の2面性
10  平和の絶対的な「価値」と暴力の徹底批判
10  平和研究者がなぜ現代非合理主義批判に
     取り組むのか
―――――――――
―――――安斎育郎
 はじめに
 現代非合理主義の危うさ
 科学と価値、科学者と価値観
 人生、どう生きるか―― 平和学的な視点をこめて

索引

執筆者紹介
Column
 「普通の近代国家」を超えるプロジェクト
 としての日本国憲法
―――――――――――――君島東彦
 ジェンダーと平和 ――――――――――――――風呂木惇子
 開発と平和 ――――――――――――――――岩ア裕保
 核廃絶運動におけるNGOの可能性 ――――――――中村桂子
 科学・技術と平和 ――――――――――――――田中 正
 ODA大国日本―― 平和と援助―――――――――――長谷邦彦
 平和的な経済のあり方―― デンマークの事例 ―――――――藤岡