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西山俊彦 | ||||||||||||||||||||||||||
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2.シャンボン大司教の鳩山一郎文部大臣宛照会、並びに、それへの回答 |
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ここで明確にしておかねばならない要点は、先ず回答の主題(語)が何であり、それは照会に対応したものであるかどうかという点である。文部省の回答も同じく第T項と第U項の二つに分かれている。第T項は「神社参拝を政府文部省が求める理由(傍線筆者、以下同様)」であって、それは(A)「教育上の理由に基づくもの」としているが、(B)「宗教上の理由に基づくものではない」とは決して言っていないし、(A)からだけではその可能性を否定も肯定もできない。一定の行為を求める理由は幾つでも列挙可能で、しかも、それらは伸縮自在のものだからである。しかしこの第T項で一番重要なポイントは「文部省が神社参拝を求める理由」について回答しているという点であって、「求められた行為が宗教的なものか否か」については回答は一切触れていない点である。回答第T項から「神社参拝行為云々」はひねってもさすっても出て来よう筈はなく、しかも、回答第T項は照会第T項に正確に対応したものとなっている。もしも回答第T項から「政府文部省が神社参拝行為は宗教行為ではないと明言した」と理解するならば、それは「スリカエ」或いは「捏造」以外の何物でもないことは明白であろう。その上、以上の確認は「文部省が要求している理由」に限ってのものであって、文部省以外の関係主体、例えば内務省神社局とか在郷軍人会、宗教報国会等々が理解しているその他の理由とか、文部省を含めた関係主体が神社参拝行為を「宗教的行為」とみなしているか「非宗教的行為」とみなしているかに関しては一切触れていないことは指摘する迄もなかろう。次に回答第U項についてみれば、「此の場合に学生の団体が要求せらるる敬礼は愛国心と忠誠とを現すものに外ならない」となっており、 |
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粟屋文部次官の回答より教会当局者が得たとされる確証は |
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