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「市場の失敗」がある限り「市場原理主義」はその効率性を論証できない、 |
大阪カトリック正義と平和協議会『いんふぉめぃしょん』No.135、 2000.11.20、 4-5頁。 |
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「資本主義の効率性」は「社会主義の崩壊」の事実からは出てこないことを前々回に、前回は、「市場原理主義」がモデルにする「完全競争市場」は仮定の話であること、を記しました。「市場の失敗
Market failure」がある限り「完全競争市場」は成立せず、「市場原理」の効率性も理論的裏付けのないものになります。佐伯啓思は直言しています
― 「市場の失敗」とはどんなものかを見なければなりませんが、大別して次の2つに分類されます
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【註】 |
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佐伯啓思『ケインズの予言−幻想のグローバル資本主義(下)』PHP研究所、1999、pp.18-19。 |
(2) |
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さくら総合研究所『経済用語の基礎知識 1999-2000』ダイヤモンド社、1999、他の用語の解説もこれによる。 |
(3) |
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「もう一単位を追加的に作るのに要する追加的コストが次第に増加する法則」、佐和隆光『資本主義の再定義』1995、p.47。 |
(4) |
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金子勝『反グローバリズム』岩波書店、1999、p.41。 |
(5) |
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佐和隆光『漂流する資本主義』ダイアモンド社、1999、pp.115-129。 |
(6) |
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佐和隆光『前掲書』1999、p.239。 |
(7) |
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西山俊彦「経済行為の成立根拠が『不完全競争』要因の独占に起因することの帰結 −『社会的効率の平等』そして『持続可能な開発』の実現不可能性に関連して−」『経済社会学会年報』第一九号、1997、pp.141-150。「持続可能な開発原理の二律背反性と普遍的秩序(平和)構築原理としての不可欠性」『平和研究』第21号、1996、pp.35-46。 |
(8) |
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佐和隆光『前掲書』、1999、pp.228-229。 |
(9) |
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榊原英資『市場原理の終焉』PHP研究所、1999、p.193。 |